久しぶりのデート

 ダーリンことフランス人シェフのロロさん となかなかお休みが合わないので、私が会社からもらえる最後の夏休みを使って、久しぶりのデートをすることができました。

 ゴミゴミした都心ではなくて、自然があるところがいいね〜、と思いついたのが等々力渓谷から多摩川に及ぶ散歩コースです。等々力渓谷は都内唯一の渓谷で、ゴルフ橋の階段を降りるとそこは静謐な別世界が広がっています。緑のトンネルの中の小川のせせらぎの音を聞きながら遊歩道を歩くと本当にリラックスできます。鳥もたくさんいて、視力も良く、視野も広いロロさんは鳥を見つけては大喜び。特に休日でもシェフ魂が抜けなくてはいち早く見つけます。そして見つけるたびに「ディナー」とか「ロースト」とか呟くのですから・・・。しかし、リラックスムードもここまで。川べりに座って、水の流れを見つめながらロロさんと佇んでいると、藪蚊が襲ってきたのです。しかも、サンダル履きの私だけ。ロロさんなんか「蚊も今日はフランス料理にしようか、日本料理にしようか悩んでいて、日本料理にしたんだよ」と呑気に言っているし、刺されるほうの身になってみてよ〜。

 等々力渓谷を抜けて多摩川堤へ。背の高い草で覆われた川原に作られた細い道をしばらく散策。せっかちな私はクネクネ歩くロロさんより、いつも前に歩いてしまいます。写真を撮りながらゆっくりペースのロロさんが後ろから「マイ・スィート・ハーフ」と呼びかけるではありませんか。「ロロさん、マイ・スィートハートの間違いじゃないの?」と
ロマンチックな気分に浸る前に意地悪にもミスの追及をすると「違うよ。僕が生まれたエリアでは自分の半分という意味は、君なしでは生きられない、という意味なんだよ」との返事。なんでこんなこと照れないでいえるのかな〜。さすが、フランス人は愛と美食の種族だ、と改めて思いました。

 多摩川沿いを散歩した後は再び歩いて東急大井町線の上野毛駅へ。もう陽が暮れていたので、最後の散歩コース上野毛自然公園はパスしました。

 そして、デートのしめのディナーは東急東横線祐天寺駅にあるフレンチ・レストランの名店Bon Chemin (ボンシュマン)へ。グルメランキングへ
Bon Chemin (ボンシュマン)

ピジョン豚足デザート
 
 ボンシュマンは代官山ラブレーのシェフをしていた花澤シェフが独立して作ったお店です。小さなパリのレストラン風で、デートにぴったりの雰囲気です。ロロさんと私は、前菜、メイン、デザート、小菓子、エスプレッソがついて3900円(税抜き)のAセットを注文。まず豚のリエットと自家製パンが出てきます。パンやリエットが無くなるとすぐにお代わりを持ってきてくれてサービスもOK。ロロさんなんかパンを10個も食べてしまいました。

 ワインは2002年のブルゴーニュ・ピノワール(4800円)を注文。このとき、ロロさんと一悶着。だって、ロロさんは高いワインばっかり頼もうとするのですもの。「若いワインはおいしくない!最低98年ものがいい」とか言って。「でも、今日は記念日でも誕生日でも何でもないんだから、少しは節約しようよ」と強面キャラのミミの凄み勝ちで、赤ワインの中でも二番目に安いものを注文しました。ロロさん曰く「しょうがないからブルゴーニュ。なぜならブルゴーニュのほうがボルドーよりワインの若さが気にならないから」とのこと。ワインを一口飲んで「う〜ん、典型的なヤング・ブルゴーニュの味。つまり、酸味があって、アグレッシブ(攻撃的)な味がする」とのご発言。

 そして、前菜。ロロさんはフォアグラのポワレ、季節のブドウ添え+アルザス白ワインソース(+1050円)、私は鴨のテリーヌ(鴨、フォアグラ、豚肉の田舎風テリーヌ)。ロロさんは少ししかめ面。「フォアグラそのものは美味しいけど、ソースがボクの好みじゃない」とロロさん。ソースに生のマスカットが入っているのですが、それが活かされていない、ということのようですが、さすがシェフの舌は厳しい。私の鴨のテリーヌは美味しいけど、驚くほどではなかったです。まあまあ、でした。まるで辛口カップル!

 そして本番、メインです。ロロさんはアンジュ産ちっそく鳩のロースト。血の味が濃い鳩を苦めにローストしたもの。付け合せはナント高級キノコのセップ茸。ソースはポルト酒を使ったサルミソース(+1890円どうして高いものばかり頼むのよ〜)。私は豚足の詰め物の蒸し煮。付け合せは今話題の天然舞茸。ソースはマデラ酒とポルト酒の濃厚なトルテュソース。

 メインはロロさんも私もトレビアーン!さすがの出来栄えです。鳩は柔らかくて、しかも味にコクがあり、少し甘いソースともマッチ。ロロさんも「うん、おいしい」と素直に認めていました。特にアンジュ産の鳩はブレス産に比べて、血の味がもともと濃いらしいのですが、さらに絞めて殺すことによって、血が全身に駆け巡るのでより血の味がするらしいのです(怖いですが・・・)。それが肉のコクのある味につながっているのですね。まさにこだわりの一品。豚足の方も豚足の中に柔らかく煮た豚舌、豚肉、白レバー、フォアグラをミンチにしたものを詰めて蒸したもので、トロトロ豚足とジューシーで複雑な味の肉が絶妙に合っていて美味。このメインの2品だけで、ロロミミのリピートしたいお店リストINとなりました。

 デザートはロロさんは牛乳と生クリームのブラマンジュ+フランボワースのソース。私は柑橘類のゼリー寄せ+牛乳のシャーベットとアイスクリーム。デザートは両方おいしかったけど、特にロロさんはゼリーが美味しい、といっていました。

 ケチな私は食後酒はお店で頼まず、帰り道東急百貨店でカルヴァドス(りんごのブランデー)を購入。銘柄はブラー・グラン・ソラージュで一本(750ml)3500円なり。お店で飲むとグラス一杯、香り付けの量で1000円以上はするので、こうやって節約。脂っこいフレンチを食べた後、強いアルコールを飲むと確かに胃がこなれるような感じで気分がよいですね。
  
 久しぶりのダーリンことロロさんのデートはやはり美食と美酒で締めくくられたのでした。グルメランキングに参加しています。応援してね!

Bon Chemin(ボンシュマン) 東京都目黒区五本木2−40−5 TEL03-3791-3900