ダーリンことフランス人シェフロロさん と初めて出会ったのは7年前の秋。カナダはトロントでのことです。ロロさんはフランス人シェフとして、私は共同通信や日加タイムスなどに寄稿するライター兼学生として滞在していました。そんな二人がどこで出会ったか? のんべえで食いしん坊の二人だからバーかレストランで? いえいえ、ナント、ストーリーテリングのクラス(要するに御伽噺を上手に話せるようになりましょう、というクラスのこと)で出会ったのです。ジョージ・ブラウン私立大学の夜のコースで見つけました。なんだかカワイイでしょう? 

 一方で、私にはもう一つの出会いが同時期にありました。トロント生まれのチャイニーズのWさんです。そのころ、ロロさんともWさんとも単なる男友達で、どちらも同じスタートラインに立っていたのです。Wさんは両親が離婚したので中国生まれの英語があまり話せないお母さんの細腕で育てられました。幼いころは貧しく、電車賃が払えないので、妹と一緒に30分の道のりを歩いて学校に通ったそうです。しかし、がんばってアグネスチャンも通った名門トロント大学を大変優秀な成績で卒業し(学部内11番目の成績で)、出会ったころは某有名ソフトウェア会社のシニア・エンジニアをしていました。ですから、若いのに苦労人で、お母さん自慢の一人息子です。トロントで生まれましたが、中国とカナダの両方の要素をたっぷりもった人でした。性格も優しい、純情で背も180センチはあり、頭もいい。

 では、なぜ同じスタートラインに立っていた二人なのに、ロロさんとはステディなボーイフレンドになり、Wさんとは単たる男友達で終わったのでしょうか?
 
 それは食文化の違いです。つまり、フレンチ VS チャイニースのグルメ対決で、ロロさんが勝利したからです。グルメ対決といっても料理の腕を競ったわけではなく、食べ物に対する認識がロロさんとは合い、Wさんとは合わなかったからです。

 下記の会話を読んでいただければ、誰もが納得するはず。
ミミ「犬と猫とどっちが好き? 」
W 「ボクは動物を食べるのが好き」
同じ質問をロロさんにすると
ロロパオーン、猫が大好き! 」Wさんにある日「私、トンボが好きなの」とミミが思わず呟いてしまったとき
W「おいしいの?」・・・絶句するミミ。

 フランス人もカエルとかカタツムリ(エスカルゴ)とか食べるけど、やっぱり中国人にはかなわない! 中国人は脚がついているものは机以外は何でも食べる、といいますが、Wさんとトロントで会ってから、妙に納得したのでした。
 
 やはり、人間は胃袋で考え、判断し、男も決めるのですね。

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