フランス人シェフことロロさんとの出会いがストーリー・テリング(御伽噺の話し方教室)のクラスだったことは10月3日のブログで書きました。御伽噺教室ですから、最終的に各自割り振られた御伽噺を本を見ないで、ロウソクだけの灯火の中で表現たっぷりに朗読できるようになる、というのが目的です。生徒は若い人よりはどちらかというと年配の方が多く、ロロさんは最初から目立つ存在ではありましたが、一緒に飲みに行ったり、お話ししたりするきっかけは、一緒にクラスに参加していたロロさんの親友シリアのおかげでした。

 シリアは当時50歳くらいのオランダ人で、ロロさんの親友兼、ルームメイトでした。ルームメイトは3人いて、シリアとそのボーイフレンドのブライアン、そしてキャロルです。ちなみにブライアンとキャロルはカナダ人です。シリアは好奇心たっぷりの女性で、ストーリーテリングのクラスでも唯一の日本人である私に非常に興味を持っていて、「ミカドって何?」とか質問してきたくらいです。それで一緒に三人でクラスの近くのパブに飲みに行こう、となったのです。そのときのアッパー・カナダ・ラガーの美味しかったこと。カナダにはたくさんの種類のビールがあり(確か一般の人がビールの醸造をすることが法律で認められていたはず)、中には蜂蜜入りのビールもあるくらいです。

 シリアはオランダでボートの上で家族と生活し、結婚してからビリヤードバーなど経営し、オーストラリアで暮らしたりしていましたが、ブライアンと出会ってカナダに来たようです。しかし、もう結婚という形式はとりたくないようで、住宅をカナダで購入するために一時的にブライアンと結婚し、すぐに離婚しましたが、二人は相変わらず仲良く一緒に暮らしています。便宜上行った結婚でしたが、その結婚式は神父に出張してもらって丘の上の原っぱで行い、シリアはブレザー姿、ブライアンはスーツ、という簡素ですが、とても素敵なものでした。

 ロロさんと私もシリアたちを見習って、新宿御苑で結婚式を行おうとしたのですが、神父さんに断られて実現しませんでした。シリアとは今も電話やメールで連絡をとりあっており、私が勤める会社で落語の会を催した話にはとても興味がわいたみたいで「日本人のコメディアンがクッションの上に座って一人で話をする伝統芸能」という説明に好奇心たっぷりでした。カナダにいるオランダ人にとって、日本はまだまだ神秘的な国のようですね。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。