アンゼルセン


 写真のクッキーはダーリンことフランス人シェフのロロさんのお友達の結婚式でプレゼントされたアンゼルセンのクッキー。アンゼルセンの有名な二つの童話『人魚姫』と『裸の王様』です。
 アンゼルセンの『人魚姫』も好きですが、同じ人魚を題材にした日本の小川未明の『赤いろうそくと人魚』も味わい深くて好きです。両方の人魚とも悲劇で終わるのですが・・・。
 『赤いろうそくと人魚』は人間の住む世界は美しく、人間は人情があって優しい、と人間を信じ込んだ母親人魚が娘だけは、とロウソク作りの老夫婦に娘を預けます。老夫婦は神への信仰深く、最初は人魚を大切に育てます。その親切に人魚もロウソクに美しい魚や貝の絵を描いて応えます。そしてそのロウソクを買ってお宮に掲げた人は決して嵐にあわない、といわれるようになり、そのロウソクは大人気を博します。その人気に目をつけた香具師に結局お金に目がくらんだ老夫婦は人魚を売ってしまいます。それに感ずいた人魚は自分の悲しい思い出の記念に赤いロウソクを残して、結局野獣を入れる檻に入れられてしまいます。
 その後不吉なことばかりあり、幾年もたたずして、老夫婦が住んでいた町は滅んでしまった、というお話です。
 なんだか、人間の悲しい性を感じさせるお話です。海という野獣の世界に住む母親人魚が、人間を信じ、ユートピアに娘を送り込んだ、と思ったのに・・・。ユートピアに住む人間より人魚のほうが清らかで、人間のほうが野獣に近い心を持っていたという皮肉を感じます。心が優しかった老夫婦が、人間が造りだしたお金のために、また香具師によるマヤカシの一言により、人魚を捨てる悪人になてしまうのです。過去の宗教戦争の教訓のように、信仰深い人が、ちょっとしたきっかけで、ベクトルが逆方向に同じ強さで向いてしまう、という人間の二面性とその脆さを感じます。
 人魚の親子は北の暗くて冷たい海で、今でも本当のパラダイスを求めてさまよっていることでしょう。

 こういう教訓に富んだお話を読んでも、ミミはやっぱりお金が大好き。こんな根性だから、ロロさんによく「ぼくの金目当てでしょう」と誤解されるのね〜。

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