昨夜神楽坂ジャズバーに連れて行ってもらった。営業したりしなかったりなのに、固定ファンがいて15年存続しているらしい。
 カウンターのみの狭い空間にうず高くCDやら雑貨やらが積んであり、その山に埋もれて飲んでいる、といった感覚だ。そのジャズバーで中村誠一伊東忍のジョイントCD『セレナータ』がかかっていた。中村誠一は昔山下洋輔森山威男らとグループを組み一大旋風を巻き起こしたサックス奏者だ。中村誠一はサックス奏者としての二枚目ぶりの反面、プライベートでは楽しいトークの持ち主として知られているようだ。タモリも無名時代に彼の影響を受けて仕込んだ芸がブレイクのきっかけとなったらしい。
 その円熟したその音色がハイボールの酔い心地にとてもあった。中村誠一がニューヨークの伊藤忍の自宅を訪ねたとき、息を吸うようにジャズるミュージシャンの性で、自然発生的にジョイント演奏が始まった。それをそのまま録音したCDだ。
 その雰囲気がジャズバーとぴったり合い、まるで、ニューヨークの片隅にあるバーで生演奏を聴いているような錯覚を受けた。
 ダーリンことフランス人シェフのロロさんが一所懸命働いている間、ミミはトレビアンナイト。かわいそうだから、『セレナータ』を買って、聴かせてあげよっと。
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