近所の怪しい居酒屋 
 我家から一番近い居酒屋が、なんとも怪しいのです。店構えは居酒屋というより割烹といった感じ。明大前の路地裏にあります。
 酔っ払って帰宅するとき、あるじゃないですか? もうチョット飲みたいとき。家の近くだから帰りは安心だし、もう一件寄りたい瞬間。そう、そういう魔が差したときに開拓したお店です。だって酔っ払っているから、度胸ついてるもんね。ガラって戸を横滑りさせると、所謂おじさんおばさんが一つのテーブルに集まって楽しそう。つまり、女性はお酌したり、お酒作ったり、話の相手になったり。正真正銘の居酒屋なんだけど、チョットスナックっぽい。でも値段は居酒屋並みで、メニューもマグロとかにらタマとか居酒屋メニュー。そして女性は普段着。ママ風の人はタバコスパーで貫禄十分。ガン飛ばしたらすくみ上がりそうな迫力です。
 ミミはべろんべろんなので、頭の片隅で「なんだか変だなあ〜」と感じても、気が大きくなっているから「すみませ〜ん、ウーロンハイ」と平気で注文。
 ようやくママが一瞥を投げてくれて、ぶっきらぼうにお通しとウーロンハイを持ってきてくれました。かまうでもなく、眼中にもないという感じでもあり、2杯くらいおかわりして、500円くらいのつまみを一品頼んで、フツーにお店を後に。こういうことが月に1〜2度あり、ダーリンことフランス人シェフの ロロさんと一緒にいったことも。
 そうこうして、まあ外人を亭主にもつ変な女ということで、チョットは気になる存在になったのか、ある日突然お店恒例のボーリング大会に誘われ参加することに!

久しぶりのボーリング なんといってもボーリングはほぼ20年ぶり。当時は鉛筆でスコアをつけていたので、ボーリング場に行く道すがら「スコアつける係りになったらどうしよう」などと思いながら歩いていたのでした。
 すると、もうハイテクで自動的にスコアが画面に映し出されるのですね。ビックリ。その時点でもう場違いな雰囲気がしましたが、まあ、良い人たちばかりの中で、教えてもらいながら、最後まで完投。ガーターをとるたびにボールのせいにして、より重いものに変えてしまったので、間違いなく明日は筋肉痛です。
 そして打ち上げはもちろん、その怪しい居酒屋。チキントマトシチューマグロの漬けイカ飯散らし寿司イカ燻製牛肉温野菜サラダなどずら〜り。もちろん飲み放題。これでボーリング込みで6000円は安いですよね。
 打ち上げでみんなと話をしているうちに、この怪しい居酒屋の正体が分かりました。明大前でもう30年以上はやっているので、常連さんばかり。だからお店の人とかお客とかの隔たりがなく、みんなで一緒に飲んでいたのですね。いやはやミミの勘違いでした〜。でもやっぱり怪しい。だって女装のおじさんが一人何気に打ち上げに参加していたもの。しかも先のとがった白いおしゃれなブーツも履いて。ボーリングのときも打ち上げも、結構みんなマイペースで、あまり人の干渉しないみたい。それがまた初参加なのに、居心地がよかった訳ですが。
 そして、ボーリングの結果ですが、ナント70歳の男性が優勝!その方が「ボーリンの良いところは子供でも老人でも出来るところ、楽しめるところ」と言っていました。なるほど〜。また初心者でもそれなりにできますよね! だからみんなが楽しめるスポーツといえます。運動量が少ないからスポーツといえないだって? いえいえ、そういうことはありません。今日体験したけど、ホント全身運動。結構すでに身体のあちこちが痛いくらいです。
 ミミは当然びりっけつ。おかげで次回のハンデ60ももらっちゃいました。こうなると影で練習して優勝目指すのみ(ちゃんと優勝賞金、入賞賞金、ブービー賞も出ます)?
 それにしても日曜日のボーリング場の混んでいたこと。とっくに廃れたスポーツだと思っていたのに、大人気ですね。みんなリラックスして楽しめるからですね。確かにボーリングって接待ボーリングは絶対ないですよね。シンプルだからこそ、肩の力を抜いて楽しめる、そんな素朴なスポーツだなあ、と思いました。この素朴さがマネーゲームの今の世の中に逆に受けているのではないでしょうか?

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