imageimage

 



 


 昨年12月30日のこと。危険なイメージの全くなかった北欧はデンマークの、コペンハーゲン中央駅でプロの窃盗団によるスリの被害にあってしまいました。

(ことの顛末)

 日本に帰るため、コペンハーゲン中央駅から国際空港行の列車に乗り込んだ時のことでした。

 ダーリンことフランス人シェフのロロさんはフランスで彼の両親と過ごし、私は日本でお正月を両親と過ごすため、彼とは別行動でその時は独りぼっちだったのです。

 忘れもしません。午前7時56分発の空港行の列車が少し早く到着し、小さくて(太いけれど)かよわい?(見た目以上に実は力がない)私はよっこらしょとスーツケースを持ち上げて、現地の人には普通だけれど私には高いデッキのステップにやっと乗り込んだのでした。

 右のコンパートメントに移動しようとコンパートメントを結ぶ通路に入ったとき、目の前にいた巨漢デブ(2m近い上背に通路をふさげるくらい横にもデカいデブ!)が急に私の方に振り向いた。と、同時に私の後ろから乗り込んできた、まさにあつらえたかのように同じような巨漢デブ(サイズも一緒で浅黒い顔に黒い髪も同じ。もしかして兄弟?)が私を押し始めた。

 つまり、急に列車から降りるフリをしている巨漢デブ1号と、乗り込もうとして譲らない巨漢デブ2号に挟み込まれた格好だ。二人とも私をギューギュー押して、逃れられない。本当に圧死するのではないかと思いました。

 すると、乗り込もうとしてきた巨漢デブ2号が急に、
「あなたは1号車、それとも2号車?」と私に質問し、わたしはぼーっとしながらも、やっと
「2号車」と答えました。すると、今まで圧迫していた1号と2号がスーッと私から離れて、さっさと列車を降りていきました。

 圧死の危険から逃れられた私はしばらくあっけにとられていましたが、急に不思議な気持ちになってアノラックのファスナー付き胸ポケットをまさぐりました。VISAカードを1枚入れていたからです。

 ない! 敏感な胸の真上のしかもファスナーでしっかりとめてあったポケットに入れていたクレジットカードを見事すられてしまったのです。しかも全く気づきませんでした。

 急いで降りて車掌さんに警察を呼んでもらいコペンハーゲン中央駅の交番でクレジットカードを止める手続きをしてもらいました。トロトロしたオペレーターと話し終えて停止できたのが、午前8時10分くらいです。

 しかし、あとでVISAカードの人と話した時、午前7時58分から8時の間に4回に分けて約10万円分キャッシングされていたそうです。そのカードのキャッシング限度枠が10万円なので、窃盗団はすってから5分以内にほぼ全枠おろしたという訳です。

(暗証番号はなぜばれたのだろう?)

 そこで疑問です。キャッシングをするには4桁の暗証番号が必要です。窃盗団はなぜ私の暗証番号を知っていたのでしょう?

 VISAカードの調査係の方と話した時、「多分切符の券売機にカメラが仕込んであったのでしょう。」と言っていました。

 コペンハーゲンはクレジットカード社会で電車の切符の券売機でコインかクレジットカードで購入します。中央駅という大きな駅でも有人の販売は見当たりませんでした。

 そこで私も空港行の電車の切符を券売機でクレジットカードを使用して購入しました。暗証番号を押すときに注意深く周りを見回しましたが、暗証番号が見える位置には人はいませんでした。

 しかし、後で思い返すと、斜め後方のかすかに視界に入る位置に白人のリュックを背負った20歳代後半くらいの男性がいたのを思い出しました。そしてその男性は私が切符を購入した後同じ券売機を使用していたのを覚えています。

 さらに空港行のプラットフォームへの階段を降りるときにも私の後方にいました。そのときは「バックパッカー風だし、同じ空港に行くんだろう」と気にしませんでした。

 ここからは推理ですが、情報収集係の白人男性が私の暗証番号をカメラで読み取り、さらにクレジットカードを胸のポケットに入れたのも見て、どのプラットフォームに行ったかをグルの実行犯役の巨漢デブ二人に連絡をした。そして巨漢デブたちは私をターゲットにまんまと実行にうつし成功した、という訳ではないか、と思います。そしてすぐにキャッシングしたのです。

 この役割分担も巧妙で、情報収集役には白人のバックパッカー風の兄ちゃん。差別をするわけではありませんが、移民風より警戒感が薄くなります。現に後でネットで調べたらコペンハーゲンにはプロのルーマニア窃盗団というのが出稼ぎにくるそうです。

 そして実行犯役によくそろえたと思うほどの巨漢デブ二人です。この二人は色が浅黒く移民風スタイルです。つまり役者がそろっていたのです。

(教訓)

 これからは暗証番号を押すときは周りに人がいなくても(いる場合はもちろん)、手のひらで見えないように隠して暗証番号を押すこと、だと思いました。そうするとカメラが仕込んであっても大丈夫です。特に大きな駅や空港の場合は気を付けた方がいいです。

 また、キャッシングの限度額を必要最低限に設定しておいた方が被害額が少なくて済みます。

(結果)
 
 運よくVISAカードから保証されてキャッシングされた金額は戻ってきました。しかし、今でもあの巨漢デブたちに圧死させられそうになった肉感が肌が覚えていてゾッとします。

 キャッシングされたのが12月30日で、日本に着いたのが31日。VISAカードから保証されるかどうかの結果は正月明けの1月4日だと言われたので、正月の間は結構悶々と過ごしました。

 ネットによると暗証番号を盗まれた場合はその人に過失があるので保証されない、と出ていました。それですっかりあきらめてロロさんも不在だし、その間にアルバイトをして10万円稼ごうと思い、興味のあった着物ウエイトレスに応募したのです。その結果は後日また書きますね。

 しかし、結果は保証されたのですが、知り合いの話を聞くとカードの発行会社によって対応が違うようです。ちなみに私は三菱東京JFJ銀行のVISAカードでした。知り合いはカード2枚キャッシングされ、1枚は大手会社、2枚目はマイナーの会社で、大手はすぐに保証したのですがマイナーのほうは保証を断ったそうです。

 以上コペンハーゲン窃盗事件でした。特にアジア人が狙われるようです。ホテルで一緒だった韓国の女性も中央駅付近でスリにあい、財布をすられたそうです。アジア人は小さくて巨漢デブ対応しやすい? それにお金を持っているイメージなどあるのかもしれません。みなさん気を付けましょうね。