■フランス人は本当にロマンチスト
ダーリンことロロさん はシェフという職業柄、当然、美食家ですが、
やっぱり、世にはびこっているフランス人のイメージ通り、
恋に生きる種族でもあるのです。
だって、知り合ってから7年間、誕生日でも記念日でもないのに、
花(一輪挿し用の花が多い)をしょっちゅう買ってきて、
プレゼントしてくれるのです。
それもアメリカ人のように(すごい偏見かも!)義務で買ってくるのではなく、
ナイトのように、まさにひざまづく感じで、熱い眼差しとともに、プレゼントして
くれるのです。
そして、その花をちゃんと自分でひっくり返して干して、ドライフラワーとして
花瓶に飾ったりするほど大事にするのです。
しかも、ある友人とロロさんとの会話を偶然聞いた際、
「僕は引退したら、ミミ(私のこと)に花をプレゼントするお金さえあればいいんだ」
とマジメに言っているのだから、感動を通り越してびっくり。
違和感さえ感じたくらい。
■元祖オヤジギャル
だって、自慢じゃないけど、私は元祖オヤジギャル(年がばれそう)じゃないけど、
「オヤジギャル」という単語をはじめて聞いたとき、「古いなあ、とっくにやってるよ、
そんなこと」と思ったくらい。
18年くらい前、バリバリの営業ウーマンだった私は、朝は立ち食いそば、
「おじさん、コロッケとごぼう天入れて」なんてやってて、夜は居酒屋当たり前、
ワインどころか、チューハイ(当時タコハイが流行っていた)グイグイ。二十歳
そこそこなのに、ゴールデン街にも出没。週末は営業ゴルフ。
まさにオヤジ。思考回路もオヤジ回線で、女らしいといわれたこともあるけど
それは営業上の作戦上のもの。
つまり、ロマンのロの字もなかったのです。
だから、オヤジの私がなぜ、フランス人のしかも5歳年下のシェフと結婚すること
になったのか、本当に神ぞのみ知る、という感じです(なんでも神様のせいにするのは
ダーリンと結婚したせいかも)。
当然、ロロさんは「もっとワイフとしてロマンチックになって」と言う。
クリスマスにロロさんがムール貝のワイン蒸し(エシャロット入り)に
シャルドネワインを準備して待っていても、私は仕事の電話しまくりで、とうとう
ロロさんがブチ切れてしまったくらい。
でも、ゼ−ッタイ私には無理! なぜなら、フランス人がロマンティックなのは、
何千年もの間に代々培われた歴史とDNAの賜物だからです。
■それはDNAの賜物!
ロロさんの田舎に行くと(パリからTGBで二時間のナントからさらに車で
1時間のところ。人よりも牛のほうが多いかも)、それが良くわかります。
ロロさんの家族と森を散歩したときのこと。ロロさんの甥(8歳)と
私はその辺の棒切れを使って、いわゆるチャンバラで盛り上っていました。
「やっぱり、どこの国でも子どもは子どもだなあ」と
チャンバラに夢中になっているロロさんの甥を目を細めて見ていると、
散歩も終わりに近づいたころ、
「これプレゼント」と、恥ずかしそうに、いつのまにか摘んだのか
野花の花束を私にくれるのです!
しかもチョット赤くなっている。思わず「カワユーイ」と思ったほど。
そして、ロロさんが今度は姪(10歳)に、本当に冗談で
「彼氏は元気?」と聞くと(彼氏なんかいるはずがない、と思っていて
からかう気分で)、
「もう、彼には興味ないの」とつれない返事。確かに年の割には女っぽいなー、とは
思っていたけど。やっぱり、フランス人は恋の種族。
フランスの女の子って、赤ちゃんのころからナンダカ色っぽい。写真に写るときも
ちゃんとシナを作るし・・・。やっぱり、歴史とDNAの賜物という結論にますます
確信を得たのでした。
一方、私は子どものころから、ピンクのフリフリなど、着せてもらえず、いつも
アイビー、そしてショートカット。三つ子の魂・・・とやらで、いまさら直りませーん。
と今度は日本人らしく親のせいにしたりします。
■四つのほっぺにキス
だからロロさんのお父さんも当然ロマンチスト。ロロさんがパパに電話して切った
後、必ず私の方に擦り寄ってくるのです。なぜなら、
「パパがミミに四つのほっぺにキスを、って言ってるから」とロロさんが
パパの代わりに私の四つのほっペ、つまり、両頬とお尻の両サイドにキスをするのです(服の上から)。
つまり、日本語で「よろしくお伝えください」が四つのほっぺへのキスになる、
というわけです。
まあ、恋と美食の種族と結婚したのだから、少しは見習わなくちゃ、と思うけど・・・。
早く「オヤジギャル」をフランス語で説明できるようになって、理解してもらわ
なくっちゃ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
写真は最近流行りのプリザーブドフラワー。同僚作。
本物の花を使って作ります。フランス発祥。
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