■アズナブール+ペールギュント
9月22日に市村正親のワン・アクターズ・ショー『ペール・ギュントの旅』をサントリーホール小ホールに観に行きました。フランス・シャンソン界の大御所であるアズナブールの曲を使った市村正親の一人芝居です。
台本・作詞・演出を担当した鈴木理雄がアズナブールの長年の大ファンで、彼のヒット曲でミュージカル形式のショーが作りたい、との思いから実現したようです。『世界の果てへ』は、少年時代のペール・ギュントが南の島に憧れる歌、そして『ラ・マンマ』は母親の死ぬシーンの歌、というようにイプセンの『ペール・ギュント』のストーリーと自然に発想はつながっていったようです。また、グリークの曲も効果的に6人のバンドヴァージョンに編曲して活かされていました。
シャルル・アズナブールは1924年生まれ。フランスのパリ出身ですが、両親はアルメニア人です。アルメニア人としての自覚が高く、88年にアルメニア大地震が起こったとき、率先して行ったチャリティーコンサートやアルバムは大ヒットし、その収益を難民のために寄付したほどです。『愛の賛歌』で有名なエディット・ピアフに認められ、スターの座をつかみました。ピアフは恋と歌に生きただけではなく、イブ・モンタンを始め多くのスターを育て上げた非常に懐の深い大人の女性でしたよね。まさにフランス的いい女の代表です。
実は、私はアズナブールを知りませんでした。足を運んだのも、子どものころ劇団四季の『青い鳥』を観てから市村正親が好きで、四季退団後の舞台を一度観てみたい、と思ったのがキッカケでした。だから、ダーリンことロロさん に
「アズナブールって知ってる〜?」と気軽にたずねたら、
「知ってて当たり前」という、あきらかな軽蔑の眼。
ロロさんとしては軽い感情表現のつもりでも、ナンセ顔の彫りが深いもんだから、とっても深刻に見えてしまって、ミミは傷ついてしまうのです。ペッソっとした反応に気づいたのか、ロロさんは急にアズナブールの代表作『ラ・ボエーム』を表情たっぷりに歌ってくれて「ほら、歌えるほど知ってるよ」と言ってくれたのですが、気持ちはうれしいけど、そのウルトラ音痴なこと! ブログランキングへ
9月22日に市村正親のワン・アクターズ・ショー『ペール・ギュントの旅』をサントリーホール小ホールに観に行きました。フランス・シャンソン界の大御所であるアズナブールの曲を使った市村正親の一人芝居です。
台本・作詞・演出を担当した鈴木理雄がアズナブールの長年の大ファンで、彼のヒット曲でミュージカル形式のショーが作りたい、との思いから実現したようです。『世界の果てへ』は、少年時代のペール・ギュントが南の島に憧れる歌、そして『ラ・マンマ』は母親の死ぬシーンの歌、というようにイプセンの『ペール・ギュント』のストーリーと自然に発想はつながっていったようです。また、グリークの曲も効果的に6人のバンドヴァージョンに編曲して活かされていました。
シャルル・アズナブールは1924年生まれ。フランスのパリ出身ですが、両親はアルメニア人です。アルメニア人としての自覚が高く、88年にアルメニア大地震が起こったとき、率先して行ったチャリティーコンサートやアルバムは大ヒットし、その収益を難民のために寄付したほどです。『愛の賛歌』で有名なエディット・ピアフに認められ、スターの座をつかみました。ピアフは恋と歌に生きただけではなく、イブ・モンタンを始め多くのスターを育て上げた非常に懐の深い大人の女性でしたよね。まさにフランス的いい女の代表です。
実は、私はアズナブールを知りませんでした。足を運んだのも、子どものころ劇団四季の『青い鳥』を観てから市村正親が好きで、四季退団後の舞台を一度観てみたい、と思ったのがキッカケでした。だから、ダーリンことロロさん に
「アズナブールって知ってる〜?」と気軽にたずねたら、
「知ってて当たり前」という、あきらかな軽蔑の眼。
ロロさんとしては軽い感情表現のつもりでも、ナンセ顔の彫りが深いもんだから、とっても深刻に見えてしまって、ミミは傷ついてしまうのです。ペッソっとした反応に気づいたのか、ロロさんは急にアズナブールの代表作『ラ・ボエーム』を表情たっぷりに歌ってくれて「ほら、歌えるほど知ってるよ」と言ってくれたのですが、気持ちはうれしいけど、そのウルトラ音痴なこと! ブログランキングへ
■フランスでは歌の授業が無い?
ハッキリと「ロロさんが歌うと明日地震がくるからヤメテ! 音痴なんだから」と逆襲の嵐。しかし、ロロさんも反撃。
「だって学校で歌は習わなかったんだもん」と胸を張る。
もしかしたらロロさんの田舎の学校だけかもしれないけど、学校の音楽の時間は歌の練習はなかったらしいのです。「じゃ、音楽の時間はなにしてたの?」「笛の練習した記憶があるだけだよ〜」だと。
日本だと文部省唱歌というのがあって、みんな学校で習うから、『荒城の月』とか(もしかしたらマイ・ジェネレーション限定版かも)『ドングリ』とか『春の小川』とかみんな共通に知っている歌があるけれど・・・。そうか、フランスは民衆の流行歌としてのシャンソンの名曲が沢山あって、みんなで歌えるから学校で習わなくていいんだ、と一人納得する私です。
だって大人の国ですものね。国から押し着せで学校で習う必要はないのですね。でも、絶対音感はたぶん遺伝子のたまものだから、ロロさんが音痴なのは学校のせいではなく・・・天性のもの?
話が音痴話に脱線してしまいましたが、ロロさんのお父さん、お母さんもアズナブールのファンのようです。そして、35歳になったロロさんも歌がソラで口ずさめるほど、アズナブールが好き、とのことです。もう81歳になろうかというアズナブールの幅広い人気が伺えますね。余談ですが、ロロさんがカナダ・モントリオール(フランス語圏)にいたころ、アズナブールのコンサートがあって、ナント彼は英語でシャンソンを歌ってしまったそう。当然、会場はブーイングの嵐だったとか。これは彼のせいではなくて、製作側の常識不足としかいえませんが。フランス人は移住してもフランス人の誇り高〜い種族なのですよ。
■市村ミュージカルの原点はアズナブール
演じる市村正親も生まれて始めて買ったレコードがアズナブールのものだったとか。聴た時「アズナブールのシャンソンは歌と演劇の関わりを感じさせた」らしいので、もしかしたらアズナブールは市村ミュージカルの原点? 一人芝居なのですが、ワン・アクターズと複数形になっているようにペール・ギュントはじめ8役こなしています。老若男女織り成す様々な役をホントに自然に演じていました。つまり女役も女装が売りのオカマがわざわざ女性っぽく演じるのではなく、自然なので、何の違和感もなく、スッとストーリーが染み込んでいきます。アズナブールの歌もとてもステキに歌いこなしていました。1949年生まれの市村正親だからこそ、苦悩、喜び、愛、抱擁など人生のキーワードを含んだ大人のシャンソンを歌いこなせるのかもしれません。
サントリーホールでの一夜は、上質の大人のためのエンターテイメントを味わえた極上ナイトでしたが、休憩時間のドリンクにアルコールがないのはなぜ? 20分ある休憩時間に白のグラスワインを傾けて、大人時間をさらに充実させて、ホンノリ気分で後半の舞台への期待に胸を高鳴らせる、ってのをやりたかったのに〜!フランスの郵便屋さん だけではなく、フランス人ワイフもアル中?
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ハッキリと「ロロさんが歌うと明日地震がくるからヤメテ! 音痴なんだから」と逆襲の嵐。しかし、ロロさんも反撃。
「だって学校で歌は習わなかったんだもん」と胸を張る。
もしかしたらロロさんの田舎の学校だけかもしれないけど、学校の音楽の時間は歌の練習はなかったらしいのです。「じゃ、音楽の時間はなにしてたの?」「笛の練習した記憶があるだけだよ〜」だと。
日本だと文部省唱歌というのがあって、みんな学校で習うから、『荒城の月』とか(もしかしたらマイ・ジェネレーション限定版かも)『ドングリ』とか『春の小川』とかみんな共通に知っている歌があるけれど・・・。そうか、フランスは民衆の流行歌としてのシャンソンの名曲が沢山あって、みんなで歌えるから学校で習わなくていいんだ、と一人納得する私です。
だって大人の国ですものね。国から押し着せで学校で習う必要はないのですね。でも、絶対音感はたぶん遺伝子のたまものだから、ロロさんが音痴なのは学校のせいではなく・・・天性のもの?
話が音痴話に脱線してしまいましたが、ロロさんのお父さん、お母さんもアズナブールのファンのようです。そして、35歳になったロロさんも歌がソラで口ずさめるほど、アズナブールが好き、とのことです。もう81歳になろうかというアズナブールの幅広い人気が伺えますね。余談ですが、ロロさんがカナダ・モントリオール(フランス語圏)にいたころ、アズナブールのコンサートがあって、ナント彼は英語でシャンソンを歌ってしまったそう。当然、会場はブーイングの嵐だったとか。これは彼のせいではなくて、製作側の常識不足としかいえませんが。フランス人は移住してもフランス人の誇り高〜い種族なのですよ。
■市村ミュージカルの原点はアズナブール
演じる市村正親も生まれて始めて買ったレコードがアズナブールのものだったとか。聴た時「アズナブールのシャンソンは歌と演劇の関わりを感じさせた」らしいので、もしかしたらアズナブールは市村ミュージカルの原点? 一人芝居なのですが、ワン・アクターズと複数形になっているようにペール・ギュントはじめ8役こなしています。老若男女織り成す様々な役をホントに自然に演じていました。つまり女役も女装が売りのオカマがわざわざ女性っぽく演じるのではなく、自然なので、何の違和感もなく、スッとストーリーが染み込んでいきます。アズナブールの歌もとてもステキに歌いこなしていました。1949年生まれの市村正親だからこそ、苦悩、喜び、愛、抱擁など人生のキーワードを含んだ大人のシャンソンを歌いこなせるのかもしれません。
サントリーホールでの一夜は、上質の大人のためのエンターテイメントを味わえた極上ナイトでしたが、休憩時間のドリンクにアルコールがないのはなぜ? 20分ある休憩時間に白のグラスワインを傾けて、大人時間をさらに充実させて、ホンノリ気分で後半の舞台への期待に胸を高鳴らせる、ってのをやりたかったのに〜!フランスの郵便屋さん だけではなく、フランス人ワイフもアル中?
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