いきなり「生生世世」という難しい字のタイトルが登場しましたが、最近いとこが出した本のタイトルです。
 気難しい読書家の父が読んで「感動した!」と言っていたので、ご紹介させていただきます。胃がんを克服した話や、ハンディキャップを背負った子供の話など、まさに人生色々の話満載の本です。
 芸能人でも小説家でもない所謂普通の人間である著者が魂をこめて綴る文章。ブログのヒットでも実証されているように今や「手ごたえのある普通の人間が面白い」時代なのでしょうか。すぐに書き換えられるインターネットの世界ではなく、紙にしっかりと綴られた推敲に推敲を重ねられた文章をその人の思いの重さを感じながら、じっくり読むのもたまにはよいですね。
 人それぞれにドラマがあり、そのドラマを自分の中でどのように消化しどのように考え、どのように綴るか。その作業が「自分が生きた証」になるのだなあ、と改めて思いました。
 そういえば、いとこの息子さんが現役で東大に受かった、という話を聞いたとき「偉いなあ」と思ったことを思い出します。現役に東大に受かることが偉いわけではなく、ハンディキャップを背負って生まれた兄弟を介護しながらの受験勉強だった、ということに感心しました。家族の中に突然起こった不運と思われることが、家族の愛情でプラスの渦を巻き起こしたんだなあ。
 つい嫌なことがあると、ダーリンことフランス人シェフのロロさんに八つ当たりしていじめてしまうミミ。そしてその後自己嫌悪に陥ってますますマイナスの渦の中に。今度から嫌なことがあれば、逆に「ロロさんがいる幸せ」を感じ、プラスの渦を巻き起こすようにしよっと。でもいつまで続くやら・・・。